東海道五十三次の川の渡しの情景を刺繍で描いたアンティークの名古屋帯です
小田原、大磯、平塚などの宿場の情景が素朴な手刺繍でほどこされています
長さは406センチと長めです

おたいこは両面ひき抜きの柄付けで　表が小田原、裏面が大磯の柄で　着用時に全部は見えないかもしれませんが、たれ先にもお茶屋でキセルをふかす旅人や　松林を歩く旅人の姿が刺繍されています
前柄は片面のみで関東巻きで結ぶと柄がでます
写真はありませんが　手先のはしから25センチくらいのところに松葉模様の刺繍があります
生地は柔らかな正絹、光沢のある繻子地です
たれ先の両端がすれています
Ａのシミは前柄にあり、表面についたものですがめだちます　刺繍部分のひっかけもありますので
詳細は図と写真でご確認ください　（黒字：表、赤字：裏）

傷みはありますが、アンティークならではの大変味わい深い意匠を、まだまだお楽しみいただければと思います

文：和田